2018年05月26日

辺境の地、西米良村を攻める

嫁の両親が久しぶりに休みをとり、西米良村に逝くと言うので、
我が家も便乗させてもらうことにしました。

何やら西米良村に面白い食い物屋があるとのこと。
我が家、宮崎に戻ってから初めての西米良攻めです。

ていうか前回来村したのはまだ娘が2歳ぐらいの時だったんじゃなかろうかと。
という事は10年ぶりぐらいに西米良村を訪れることになりますな。



いやしかし、西米良村ってポジション的には新富町の隣りにある感じなんですが、
(厳密には新富町の隣の西都市の隣、距離的には片道50km弱ぐらい)
源氏にボコボコにされた平家の落人が逃げてきた場所だけあって、
結構な秘境というか、未知のエリアッー!というイメージだったんですね。


でも今回久しぶりに酷道219号線に足を踏み込んでみると
トンネルが結構増えていたし、道も広くなっている場所が増えていて驚き。
時々、大型車と離合するのも難しいような場所が少し残ってはいましたが、
昔に比べると西米良村も随分近くなったもんだなぁ(感嘆)。



だがしかし!西米良村の一番の繁華街(ココ笑うところ)村所に辿り着いてみると、
以前よりはちったぁ華やかにはなってはいるものの、やはりコンビニ一つ無ぇド田舎。

ウチの後輩でココ出身の奴が居るんですが、
高校に逝くまでマック食ったことがなかったという話を聞いて
その境遇に驚愕すると同時に「あっ・・・(察し)」しましたよ我輩。

なお、我輩現在その西米良出身の彼に「ラングラー買えよ、あくしろよ」と説得中。
(或いは10年落ちぐらいのメルセデスのゲレンデヴァーゲン)
だってこんな山奥に実家があるんなら、ガチ四駆じゃないと厳しいっしょ?
★ックストレイルみてぇな四駆もどきじゃ西米良では生き残れない(妄想)。



余談ですがその後輩はスイフトスポーツ購入を検討しているとのこと。
ま、散々ディスっていますが西米良村までの道のりは一応舗装された道なんで、
普通のクルマでも西米良温泉 ゆたーとまで辿り着けるんですがね。

大人400円の入泉料は宮崎の大半の温泉よりは安いですが、
子供料金が250円というのは結構ボッている気がせんでもねぇ。
青森はどこも温泉が安かった(相場は大人350円、子供150円ぐらい)んで、多少はね。

泉質的にはヌルっと系の温泉で刺激も少なく心地よい湯。
名前の通りゆたーっと浸かって身体を癒せる温泉です。
我輩も指がふやける寸前ぐらいまで温泉を満喫してやりました。



ところで西米良村内を徘徊していると時々出会うコイツ、
カリコボーズという名前かと思いきや、
ホイホイくんという名前なんですね。


だとしたら西米良村にホイホイ来てしまった我輩、
ノンケなのに構わず西米良村に食われてしまうんじゃなかろうかという
危機感を感じてしまうのは考えすぎでしょうか?




でも今回、嫁の両親が飯を喰らいに逝こうとする場所は、
ゆたーと内の飯食うところでもなく西米良の繁華街()である村所でもなくて
西都方面へ少し引き返した場所から更に奥地へ入った場所にある
“おがわ作小屋村”というところなんだとか?



看板があるところから曲がって(曲がる方向は一箇所なんで間違えようがない)
小川川という冗談っぽい名称の川沿いの細い道、険道316号線を進みます。

前方から1958年式キャディラック・エルドラドが迫ってきたら
確実に離合不可能なぐらい細い道なので無闇にスピードも出せませんが、
山道を5kmぐらい進むと唐突に道が広くなり、集落が見えてきて、
その中心部辺りに“おがわ作小屋村”がありました。



茅葺屋根の店内は天井が高く、広さもそこそこあって雰囲気抜群。
しかしメニュウは3つしかなくメインメニュウである“おがわ四季御膳”と、
作小屋カレーと山菜うどんorそば、他はおにぎりとおからコロッケしかないのです。
ま、地元の食材を使った料理が売りなのでそんなもんなのかな?

というわけで我輩と嫁の両親はおがわ四季御膳を、嫁はそばを、
クソガキ共はカレーを注文して食い物が来るのを待ちます。



真っ先に来たのは嫁の山菜そば。
麺が太くてパッと見うどんかと思いましたよ。
しかしこの汁、シイタケの出汁が効いていて旨し。
恐らくつなぎゼロの100%そば自体もそば粉の風味が強くて旨し。

具はカマボコとタケノコとシイタケ、実にシンプル。
十和田で食った山菜そばみたいにもう少し彩りがあっても良いんですがね。

スルッとしたのどごしを楽しむそばではありせんが、
このそば粉独特のモチモチ感の強い麺は我輩好み。
というわけで我輩も追加で注文しちゃいましたよ。
(小皿16品程度じゃあ腹一杯にならんだろうからな)



そばをつまみ食いしていると来やがりました、おがわ四季御膳。

左上から順にジャガイモとタケノコの煮しめ(ジャガイモが程よい硬さでホクホク)、
シイタケ南蛮(甘酢と添えた野菜がシイタケの旨味を増幅)、
おから天(オカラがふっくらしていて優しい食感)、
イカンテダイコンとシイタケとコンニャクの煮しめ(普通に旨い)、
フキの煮付け(ご飯のお供に絶品)、小川豆腐(硬い食感と大豆の味わい)、
シソ寒天(九州の田舎って寒天好きだよね?我輩も好きだけど何で?)、
ウドとコンニャクの酢味噌かけ(コンニャクがスッキリした味わい)、
おからサラダ(正直、酸っぱいオカラはなんか嫌)、
ラッキョの天ぷら(シャキシャキ感と苦味と酸味が癖になる)、
サトガラ(イタドリ)の油炒め(雑草のくせに酸味とコリコリ感が結構イケる)、
ワラビの三杯酢(ワラビが少し苦い)、お漬物(ミョウガの甘酢漬けがナイス)、
臭木菜(クサギナ)の油炒め(名前のとおり、苦くて癖があるけど食える)、
あくまき(我輩的にはもう少し甘い味付けが欲しい)、
柚子味噌(これだけでご飯もう一杯行けそう)の16皿が並ぶ圧巻の一品。

でもね、冷静に細かく見なくても解るんですがね、
彩りは鮮やかだけど肉全然入ってねぇ!
そして、どれから食えばいいのかメッチャ悩むし!
(我輩は一番怪しそうなクサギナから食いました)

多分、漬物や寒天、煮物や豆腐やオカラは固定スタメンなんでしょうが、
それ以外の山菜類や野菜などは季節によって変わるんでしょうね。



上述の16品にご飯とだんご汁が付いて、1300円。
だんご汁の団子が硬いけど、田舎のだご汁ってこげなもんよね?

肉がないのに1300円?と突っ込みたくなるけど味は旨い。
何より、一気に色んな食材を味わえるというのはかなり贅沢。
ていうかコレ全品準備するのって結構大変だろうな(小並感)。



どーしてもガッツリ食感と肉が欲しいという方は、作小屋カレーを食うべし。
カレーには鹿肉の唐揚げ(竜田揚げ?)が付いています。
おからのサラダとラッキョの天ぷらも付いているけどね。

誰もが「ああ、カレーですねコレは」と言いそうな味付けのルーの中には
ニンジンとシイタケとタケノコが入っていて「タイカレーかよ!」と突っ込みたい。
でもコレが案外、イケるというか意外でもないんだな。
タケノコが干したタケノコだからカレーに合うのかもしれん。
安心感と軽いジャブが味わえる一品はクソガキ共にも好評。

なお、鹿肉の唐揚げは「シカでした」。



ところでそのカレー自体には肉入ってんのか?ソコ重要だぞ。
娘曰く「うん、結構入っているよ」確かに豚バラ肉が入っておりました。



ラストに現れたおからコロッケ(3個入り)は
口に入れた瞬間は「おっ、普通にコロッケっぽい」味付けですが、
噛みしめると明らかに「オカラでした」。
でもおからコロッケ、意外と旨い。自分で作ってみたい。

西米良の山奥の人口100人に満たない小さな山村の山菜料理は
肉はないけど味わい深く、面白いものばかりでした。
コレは山道を越えて食いに来る価値があると確信。
こんな山奥に年間25000人が訪れるというのは
少し納得いきませんが確かに魅力はあります。


昔みたいに219号線が難所だった頃に比べるとハードルも下がりましたし、
宮崎全体の中途半端な田舎に不満を感じるぐらいなら、
西米良に乗り込んで究極の田舎を味わう方向にぶっ飛ぶのはアリでしょう。

そして真夏や冬に来たら何が食えるんだろうかという楽しみもあります。
多分、一番アツいのは山菜シーズンの春なんでしょうがね。



満足感に満ち溢れた腹を擦りながら、運動がてらに周囲をブラブラしますと、
上の方にはコテージ的な洒落た宿泊施設がありました。

中を覗いてみるとベッドがある洋室のコテージと畳敷きの和室のコテージがあり、
素泊まり2700円、飯付きなら4800円ぐらいで泊まれるとのこと。
夕飯と朝飯付きで0.1パットン(注:1パットン=ごまんえんぐらい)とは安いな。

中には炊飯ジャーや電子レンジ等、一通りの調理器具も揃っているそうです。
近くには水遊びする場所もあるからか、夏は大盛況らしいです。
別に遊ばなくても田舎の原風景見ながらのんびりするだけでも楽しそうだなぁ。



そして宿泊施設の近くには、資料館も隣接。
受付に係員は居ないので、入場料は箱にぶち込みます。
でも入場料が大人200円という時点で大したもんはなかろうと思い、
「なんで見る必要なんかあるんですか?」という事でココはスルー。

いや、興味はあったんだけど夜勤明けで疲れていたんで早く帰りたかったのよ。



なお、「オレは興味があるから1人で見てくる!」と言い放った息子に
100円玉渡してカメラを持たせて入場させてみたところ、
1円が0.2パットンぐらいの価値があった頃の1円札があった模様。
(注:1パットン=50000円ぐらい→0.2パットン=10000円程度)

余談ですが明治時代、自転車は200円ぐらいしたそうな。
それってスカルガンナー氏の高級チャリよりも高いやんけ!
スペシャライズドとかビアンキのチャリでもそんなに高くはないぞ!



他には処刑用ののこぎり(推測)や、拷問用の器具(推測)が置いていた模様。
村の掟に従わないものはコレらの道具で制裁を実施していたのでしょう。
息子曰く「RPGの武器屋さんみたいだった(小学生並みの感想)」  

Posted by 砥部良軍曹 at 22:15Comments(3)