2011年02月26日

日本最後の仇討ち

民放2局しかない宮崎では放送されるか定かではありませんが、
何か今晩“遺恨あり 明治十三年 最後の仇討”というドラマが
テレビ朝日系列で放送されるみたいです。

ネタ元は吉村昭氏の“敵討”という短編小説集の中にある“最後の仇討”という話で、
その内容は旧秋月藩士の臼井六郎という人が
幕末の喧騒によって殺害された父と母の敵討ちを試みるものの、
明治6年に仇討ち禁止令が発令され、
かつての武士の美徳が犯罪とみなされる時代と化したが、
ただ仇討ちの志だけを胸に明治維新の時代を生き、
山岡鉄舟の元で剣技を磨きながら仇討ちの機会を伺い、
事件から13年経ってついにその日が訪れ、
ようやく武士の本懐を遂げたという話です。

この話の詳しい内容に関しましてはこちらを参照のこと。
(MIDI音源が結構でかく響くので注意されたし)

で、何でそういう話題をここで振ったのかといいますと、
この臼井六郎というお方、我輩の母方の血筋の人だそうで。
まあ要するにこの“最後の仇討”をした人は
我輩と血の繋がった人(曾曾爺ちゃん?)らしいんですね。

因みに臼井六郎さんはこの事件の後殺人犯として裁かれたものの、
まだ武士の時代の因習残る時世の世相を繁栄して
死罪は免れ、終身禁固刑に服する事となるのですが、
大日本帝国憲法交付に伴う恩赦により10年で釈放されたそうです。

日本最後の仇討ち

臼井六郎さんの墓がある秋月という町はのどかな田舎で、
風靡な風景が静かに心を癒してくれる安らぎの場所であります。
我輩もこの町が好きで何度も訪れ、臼井六郎さんの墓も何度か参りに行きました。
春の桜の季節に秋月城を訪れると幻想のような風景に心奪われます。

で、この話は意外とマニアックな歴史ネタなのかなと思いきや、
ネットで検索すると上記サイト以外にも意外と出てくるんですね。
現時点ではドラマの放送も相まって更に話題が豊富な状況でありますが、
それ以前からも上記のサイトやその他で色々と語り継がれている
日本の歴史の流れの1つの出来事として有名ではあるようです。

とりあえず我輩の血筋の話という事で普段は見向きもしないテレビに
本日限定でかじりついて見てやろうかと思っていますが、
ドラマの内容がどうとか批評するつもりは毛頭ありません。
ただ、我輩の血筋の人がドラマでどのように描かれるのか、
そしてその生き様をを見ることで我輩の人生における生き方というか、
志の貫き方を考える機会になるか否かは興味深いですね。

幕末の時代と言えば日本人が今までの風習や考え方を貫くべきか、
それとも新しい思想や習慣を取り入れて海外と並ぶべきか
それについて多くの思想や思惑、そして理念やエゴが飛び交った時代。
その時代の波に翻弄されながらも己の本懐を遂げる為だけに
若き人生を生き抜いた臼井六郎さんの生き方に共感させられるものがあるのか、
社会化の授業では教えられない歴史の断片の中に
本当の歴史が隠されており、そこに歴史の真実があるのだと思います。


同じカテゴリー(演説)の記事画像
書を買おう、町へ出るな
さて、春休みの映画の話でもしようか?
もう、普通のランチでは満足出来ない
巨星墜つ
おせちの哲学
ありがとう三沢、そしてさようなら
同じカテゴリー(演説)の記事
 書を買おう、町へ出るな (2021-01-17 14:59)
 さて、春休みの映画の話でもしようか? (2019-04-12 22:21)
 イサキおじさん (2018-10-04 23:41)
 浮気したくても出来ない我輩のぼやき (2018-09-13 04:35)
 もう、普通のランチでは満足出来ない (2017-06-14 23:17)
 巨星墜つ (2017-03-27 01:24)
Posted by 砥部良軍曹 at 09:09│Comments(2)演説
この記事へのコメント
どういう訳か世は歴史ブームで歴女なる言葉まで生み出されてます。
歴史好きなのは大体男と決まっていたようなのですが、
当店でも男性よりも女性の方のほうが多く大礼服に興味を示すなど
一寸変わってきたようです。

私も最後の仇討見ました。
しかし、今何故最後の仇討ちなのでしょうか?

一部脚色はしてありましたが、史実を忠実に描いてあったようです。
武家の時代から明治という新時代に突入し、武士の権威が失われてゆく過程でこの事件が
  殺人事件なのか仇討ちという名前の美挙
なのか迷う部分も混沌とした現代に何を示唆しているのでしょうか。

吉村昭の本も読みましたし、秋月史考という史書や黒田家譜という
  福岡本藩の黒田52万石、秋月黒田5万石
の殿様の時代に起こった出来事を記した本も読みました。

六郎の事件後山岡鐵舟が官を辞し物心両面で支援したと言われていますが、
そのことの方が大切なのかもしれません。

臼井亘理、六郎親子の子孫一族に繋がった者として先祖に思いをはせることが出来ました。
Posted by 骨董屋の親父 at 2011年02月27日 18:38
>>骨董屋の親父様
我輩もこのご時世に何故“最後の仇討ち”を題材に選んだのか、
その意図が一番の興味であり、疑問であります。

我輩が考えるに今までの日本の美徳とか
常識が通用しなくなりつつある現代、
日本人である事に誇りを持って
栄は無くても日本人らしく生きる事が大切なのか?
それとも小さい事には眼を瞑り、
諸外国と足並みを揃えて国自体の発展を考えるべきなのか?
そういう思考が頭の中を渦巻きました。
Posted by 伍長閣下伍長閣下 at 2011年02月27日 20:13
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。
削除
日本最後の仇討ち
    コメント(2)