2022年09月21日

日本初のハンドガン、二十六年式拳銃

幸い、我が家ではこないだの台風の被害は殆ど無く庭が散らかる程度で終わりました。
23時過ぎに停電→2〜3分ぐらいで復活を繰り返す事態はありましたがガチ停電&断水は無く、
家は高台にあるので河川の増水からの氾濫に巻き込まれる事もなく浸水も特に無し。

周りを崖や藪で囲まれた場所に家が建っているのも功を奏したのでしょうか、
木々は風でガンガン煽られて葉っぱをばら撒いていましたが
我が家の敷地内はエアガンの的に置いている空き缶すら吹き飛ばず平和でした。

一方、下界(日向新富駅付近)は停電になって本日ようやく復旧した模様。
3日間も電気が使えない生活なんて想像出来ねぇよって思いましたが、
そーいえば青森に住んでいた時、東日本大地震で1週間ぐらい停電生活だったわ。
いやー、現代人電気が無ければ猿以下ですから電気は重要。

普段は不便極まりない我が家の地域ですが、他の地域のその様な話を聞くと、
我輩が家を建てた場所が如何に災害に強い場所であるかを再認識しました。
普段はクッソ不便な田舎ですが、こーいう時だけは上新田に家建てて良かったと思いました。


というわけで本題に移りますがその前にどーでもいい話を一つ。
台風の中、息子が三毛別羆事件(さんけべつひぐまじけん)の話をしていて、
あの事件のデカい人食いクマを倒したのはロシア製の連発可能なライフルだったと言ってたので、
「息子よそれは違う。あの時、山本兵吉さんが使ったロシア製のベルダンM1870というライフルは、
単発だったんだけど他のモブが使っていた黒色火薬の村田銃と違い、
無煙火薬で威力のデカい7.62×54Rという帝政ロシア末期に採用され、
未だにSVDやPKP機関銃に使われている優秀な?弾だったからクマを倒せたんだ」

(元々ベルダンライフルは11mm黒色火薬だったが日露戦争の時代には
当時採用されたモシンナガンと弾薬を合わせる為に改修されたものが使われていたそうな)
と説明してあげたんですが、厨二に弾の口径の話はまだ早過ぎたのか、
イマイチ理解が追い付かなかったようですが後10年したら多分解るさ(憶測)。

まあそんな我輩も高校時代にMGC福岡店で中古で購入した
マルシンのM36で射撃&リロードをチマチマ楽しんでいたら、
父上から「リボルバーは廃莢、装填を1分以内に出来なければならない」と言われ、
素早い廃莢&装填の練習をさせられるという事態がありましたので、
銃器マニアの親というものはいつの時代も面倒なもんなんだなという事で(真理)。

さて、最近我輩も歳のせいか中折れ勃発する事態が時々発生するんですが、
ムスカ大佐の「3分間待ってやる!」のシーンを見る度に中折れ式リボルバーが欲しくなり、
中折式リボルバーの出物が出てこないかとずっと探していたんですが、
ヤフオクに出ていたブツに基本相場の0.6パットン突っ込んでみたところ、
その日はライバル不在だったのか0.4パットンで落札しちゃって「私は運がいい」。

日本初のハンドガン、二十六年式拳銃

それが今回レビューをあげる、
ハートフォード製二十六年式拳銃です。

いやまあしかしこの箱のデザインよ、我輩的に何か惹かれる。

余談ですがブログやツイッターに「軍拡しました~」と
箱に入った状態の武器の写真をあげる輩が居ますが、その勿体ぶる演出イラッとしますよね?
「そんな事しなくていいから(良心)早く箱開けろよあくしろよ」と言いたくなりますよね?
でも二十六年式拳銃の箱なら、中身が解り易くて伝わり易い。

二十六年式拳銃は明治26年(1893年)に日本陸軍に採用された拳銃で、
主に騎兵が馬上から撃つための拳銃として開発されたそうです。

確かに、馬上から撃つなら当時の単発式村田銃よりは拳銃の方が軽くて使い易い。

日本初のハンドガン、二十六年式拳銃

26年式拳銃は生産は昭和で終わったものの旧日本軍には拳銃の絶対数が少なかったことから、
(ノンケには意外かもしれないがライフルと拳銃の製造コストor価格は同じぐらいであるため、
威力や命中精度の弱い拳銃よりは性能の高いライフルを優先したくなるのは当然)
数合わせのために太平洋戦争終結まで使われていたようです。
実際には使いやすくて動作も確実、信頼性が高かったというのもあったでしょう。

余談ですが終戦まで日本では高額納税者は拳銃を所持する事が許されていたので、
(その為、古い屋敷の蔵などにはそういう人が所有していた拳銃が隠されている事が時々あると言う)
各地の盟主だった人々にもある程度の数が売れ渡ったようです。
とは言ったものの二十六年式拳銃の当時の価格は二十二円(現在の44万円ぐらい)、
お大尽と言えどそう気軽に買える代物ではなかったと思われますが、
クルマを買えるぐらいの大富豪なら拳銃の一丁ぐらいなんて事なかったのかな?

日本初のハンドガン、二十六年式拳銃

二十六年式拳銃は左右(表裏?)差のない、スッキリとしたデザイン。
全体的なシルエットは良く言えばスリム、悪く?いうと華奢?
旧軍の拳銃って大抵どれもこんな感じで、日本刀に通じる銃器デザインというんですかね(小並感)。

ただ一つだけ言える事があります。
鉄砲に興味のないノンケ共には多田野リボルバー、多少銃器に詳しい輩でも反応は薄い。

実際、夜勤の時に職場に持ち込んでニヤニヤして後輩共に見せつけましたが、
いつものように「にーのさんがまた武器を持って来ている」と騒がれはするものの
古くさいとか何か変わった形してるとか言う感想を述べる者は皆無でした。

日本初のハンドガン、二十六年式拳銃

口径は9mm、つまり現在のお巡りさんの拳銃の38スペシャルと同じ。
当時の軍用リボルバーらしく、適度な長さの銃身長がよろしい。
先っちょにパーティングラインが残っているのが興醒めですが、消そうと思えば(王者の風格)。

日本初のハンドガン、二十六年式拳銃

口径は9mmあるけど、薬莢のサイズは22mmとかなり短めなので、
シリンダーの長さが現在多く見るリボルバーに比べると短いんです。

という事は火薬は少なめ→威力は弱め。
なので小柄な日本人でも撃ちやすいという利点はあったようです。
そもそも欧米の拳銃では威力的に日本人には扱い難いという事で
この日本独自の規格の拳銃&弾丸が生まれた訳です。

しかし2・26事件で後の内閣総理大臣となる鈴木貫太郎が26年式拳銃で3発撃たれたそうですが、
撃たれて直ぐはまともに話ができる状態だった上に、
その後手術により治癒したといいますからその威力不足は想像に難くないでしょうw

日本初のハンドガン、二十六年式拳銃

案外手にしっくり来る、特徴的な丸みを持つ形状の細いグリップ。
なんか少しカタカタするのが気になって仕方がない。
木製グリップだと更に心地よい感触なんでしょうが、在庫がどこにも無い・・・

日本初のハンドガン、二十六年式拳銃

刻印は「二十六年式」と書かれているだけのシンプルさ。
この軍用拳銃ならではの素っ気なさがそそります。
そして表面仕上げのクールさ「これ本当に樹脂かな?」と疑いたくなる美しさ。

日本初のハンドガン、二十六年式拳銃

リアサイトとハンマー。
ハンマーに指掛がないのはダブルアクションオンリーだから。
何でかと言いますと、馬上から弾をばら撒く事しか想定していなかったから。
連射性能重視、命中精度は二の次という割り切ったコンセプトなんですね。

そこでニワカは「連射性重視ならオートマチックが良かったんじゃね?」と言いそうですが、
世界初の実用的なオートマチック拳銃ボルヒャルトピストルが世に出たのが1893年。
明治26年なんですから当時オートマチック拳銃と言う選択肢は無かったんですよ。

日本初のハンドガン、二十六年式拳銃

二十六年式は当時の回転式拳銃にまあ多少はね見られた中折れ式。
弾を装填するためにはまずリアサイト後部にあるラッチレバーを上げます。

中折式リボルバーの利点は排莢、再装填が容易であること。
実際、ムスカ大佐は「3分間待ってやる!」と言って
おきながら、
愛銃のエンフィールド・リボルバーを排莢、再装填を1分足らずで済ませております。

難点はマグナムみたいな威力の強い弾が使えない事。
だから現在のリボルバーでは中折式を全く見かけないんですね。

日本初のハンドガン、二十六年式拳銃

するとシリンダーが開放されて実銃ならここから弾を装填しますが、
コイツはペガサスリボルバーなのでガスを注入します。

尚、二十六年式拳銃はメカニズムが複雑化するのを避けるためか、
一般的リボルバーにはお約束のシリンダーストップが付いてないので
勝手にシリンダーがくるくる回ってしまうと言う謎仕様。
多分開発陣的には「シリンダーがズレてもトリガーバシバシ引き続ければ弾出るやん」なノリだったのかな?

日本初のハンドガン、二十六年式拳銃

こいつの場合はエアソフトガンなので、弾はシリンダーの前から詰めるんですがね。
メカニズムはタナカのペガサスですが、シリンダーサイズに余裕がないのと、
メーカーが「こういう拳銃を欲する輩は多弾数は邪道と考えるだろう」と思ったんですかね、
装弾数はリアルに6発しか入りません。だがそれがいい。

日本初のハンドガン、二十六年式拳銃

銃身はここまで折れ曲がりますが、こんなに曲げなくてもガスは充填可能ですし、
フレームにダメージを与える恐れがあるのであまりアホみたいに曲げないほうがよろしいかと。

日本初のハンドガン、二十六年式拳銃

二十六年式拳銃の他に類を見ない特徴、それはプレートが工具なしでも外せること。
まずはトリガーガードを下にスイングさせます。

余談ですがこのトリガーガードスイング機能が再現されているために、
無造作にポケットにブチ込んで取り出そうとするとトリガーガードが持ち上がる事があるというw

日本初のハンドガン、二十六年式拳銃

トリガーガードをスイングさせると横のプレートが開きます。
プレート先端のセレーション部分を摘んで持ち上げます。
何度も開閉を繰り返したらスムーズに開くんでしょうが、基本動きは渋いです。
おなごの股じゃねーんだから頻繁に開け閉めするもんじゃないんでしょ?

日本初のハンドガン、二十六年式拳銃

分解するとこのようになりますので、注油やパーツ交換が容易です。
このような実射性能とは違う方向のリアルな拘りが所有欲を掻き立て、
二十六年式拳銃を所持する満足度を与えるのです(確信)。


因みに、これ以上のシリンダー等の分解は付属の専用工具を用いて実施しますが、
モデルガンとのバレル交換が出来ないようにする為、バレルは分解不可との事。

日本初のハンドガン、二十六年式拳銃

木製グリップを物色したところ、Amazonに1つだけ置いていたので3分間考えて購入。
再びプレートを開いて分解、左側のガタガタ動く樹脂製グリップを外します。

日本初のハンドガン、二十六年式拳銃

その後ハンマースプリング(板バネ)をちょっとずらし(完全に外さなくても無問題)、
反対側のグリップを固定するスクリューを緩めて新しいグリップに交換。
もう片方のグリップは下部を押し込み、慌てずにじっくり合わせながら固定、
グリップが定位置に収まったらカバーを閉めます。

日本初のハンドガン、二十六年式拳銃

グリップが木製に替わると更に雰囲気抜群になります(小並感)。
チェッカリンググリップの手に吸い付くグリップ感は悪くありませんが、
グルーブ状の滑り止めは無骨さがあって違う美しさを醸し出します。
グリップがカタカタ動く事も無くなり、握り心地が更に良くなりました。

日本初のハンドガン、二十六年式拳銃

ダブルアクションオンリーのトリガープルはある程度重みはあるものの、素直でキレが良い。
ガスが少なくなるとトリガー引く→弾が出る→トリガー離すまでガスが垂れ流しにはなるのは仕様?
尚上記の現象、気温が低くても発生します。
パワーは0.2g弾、気温25℃ぐらいで70m/sと一般的なガスブロと変わらないぐらい。

インナーバレルは110mmのKM企画社製精密インナーバレルに固定ホップ。
リアサイトの溝が細くて狙いにくいので5m先の空き缶に当てるのは難しかったですが、
上手く狙えば10m先の人間大のターゲットには当たらない事もないです。
サバゲーで使えない事はないでしょうが、コレを持ち出すシチュエーションが思い付かない。

日本初のハンドガン、二十六年式拳銃

この手のコレクション要素が強いクラシックな拳銃はモデルガンを購入して
拳銃黎明期当時の独特なメカニズムを愛でるのが正しい方向性なのでしょうが、
エアガンの「弾が撃てる」という魅力は拳銃本来の魅力。

ハートフォード製二十六年式拳銃のガスガンはモデルガンの高貴さと
エアガンの歓びを同時に手にする事が出来る素晴らしいコレクターズアイテムと言えるでしょう。


我輩的には「他に我輩が欲しいハンドガンはブローニングハイパワーぐらいだ」
と断言していいと思えるぐらい達成感に満ち溢れているので、
フィールドに持ち込んで見せびらかしたい気持ちは大きいんですが、
我輩のような老害なら兎も角、大半のプレイヤーには刺さらないんでしょうねぇ・・・
(実際、ZEROBASEに持っていっても見せてくれとか握りたいというリクエストは皆無でした)

でもまあ、他のプレイヤーが興味を持たないハンドガンを持つという行為は、
所詮自己満足の域を出ないとは言え、精神的充実感は相当高いものです。


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Posted by 砥部良軍曹 at 22:07│Comments(0)エアソフトガン
 
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