2022年12月25日

ローストビーフはお湯に浸けて作ろう

今年のクリスマスイブ、同志達はいかがお過ごしでしたか?
我輩はいつも通り、家族だけでボチボチクリスマスディナーを食して過ごしましたよ。

毎年、普段は飲まないよーなスパークリングワインなんか買っちゃうんですがね、
今回は我輩が次の日仕事があるからアルコール抜きで過ごしましたが、
普段からアルコール全然飲まないんで特に違和感は無し。

しかしいつも思いますがね、大人数で盛り上がるクリスマスパーティーを経験するとね、
家族だけで実施するクリスマスは全く気持ちが昂りませんね。
我輩も年々料理に気合いが入らなくなってきております。

しかし今年のクリスマスディナーの1番の泣き所、それはローストチキンが無い!

23日に夜勤を終え、24日の朝からマックスバリュやトライアルを周って丸鶏を探したんですが、
去年まではチラホラ置いていた丸鶏が今年は何処にも置いてないんですよコレが。
既に調理済みの丸鶏はマックスバリュに売っていたんですがね。

代わりに食い易くて旨いもも肉のチキンレッグはいっぱい並んでいるんですが、
入籍記念日を兼ねたクリスマスイブに我輩が作りたいのは鶏の丸焼きなんですよ。
丸焼きを食いたい以上に、焼きたいんです。

こないだ学長とマンガ倉庫に行った時、マッドマックスのインターセプター置いていてね、
学長に「コレ良いっすね、欲しいっす」と話を振ったら
「私は既に組み立て済みのモノには興味がないんです!」とのたまうのです。

プラモ好きの学長にとってディスプレイモデル、模型というシロモノは、
そのブツを愛でたいのではなく、組み立てたいと言うのが美学なんですね。
それと同様、我輩も料理を食べたい以前に作りたい、そういう心境があるんです。

仕方なく我輩はもう一つのメインディッシュ、米料理の材料と、
娘がケーキを作るための材料(流石にスポンジは市販品だが)のみを購入してトボトボと帰宅。


娘がフルーツたっぷりのケーキを2種類作り終えた厨房にて
前日に嫁が買ってきた牛肉の塊でローストビーフを作ることにします。

今回紹介するローストビーフの簡単レシピを教えてくれたのは三沢在住時の戦友の砂井さん。
今まではダッチオーブンで蒸し焼きにしたり、オーブンで焼いたりして、
加熱しスギィ!な毎回灰色の肉塊を食う羽目になっておりましたが、
砂井さん方式はフライパンと鍋、ジップロックと温度計があれば作れるという素敵レシピです。

肉のサイズは500g弱、家族4人が食べるには丁度いいサイズですが、
三沢基地でアメリカンサイズのクソデカローストビーフを見てきた我が家的には小さい。
でもあんなにデカい肉を買うとなると、たとえアメリカンビーフだとしてもかなりの金額です。

まずは下ごしらえ。
肉塊の周囲の水分orドリップ(生の肉汁のをキッチンペーパーで拭き取り、
肉塊に塩だけをまんべんなくすり込み、2〜3時間冷蔵庫で寝かせます。
(まあ1日ぐらい寝かせてもいいというか、寧ろそれぐらいがいい)
この時注意してほしいのは「ミックススパイスの類いは使わない事」
肉を焼く際、スパイスが焦げて苦味や雑味が付きます。

タマネギ、ニンジン、セロリ、ハーブ類がある場合(またはそれを買う余裕がある場合)は、
適度な大きさに刻んだ野菜と一緒に寝かせると風味が増して美味しくなりますが、
ぶっちゃけローストビーフは風味より焼き加減です。
でも旨いけどね、野菜の香り豊かなローストビーフ。

ローストビーフはお湯に浸けて作ろう

全面を満遍なく焼き、メイラード反応を起こします(よーするに焼き色をこんがり付ける)。
一回横着してテフロンフライパンで焼いてみましたが、
我輩的には鉄フライパンの方がいい焼き色が付きますけど無理して鉄フライパン買わなくてもよし。

あ。肉を焼くのと同時進行で深めの鍋に湯を沸かすのを忘れないで下さい。
このお湯がローストビーフの出来栄えの2/3ぐらいを決めますんで。

ローストビーフはお湯に浸けて作ろう

肉が焼けたらジップロック的な密閉型のバッグに焼いた肉を入れて、
肉の入った袋の中にスパイス(我輩は今回「ほりにしプレミアム」を使用した)をふりかけ、
69℃ぐらいのお湯に浸けて鍋の蓋を閉め、じっくり肉を加熱します。
この「69℃」という数字が重要です。
お湯が沸騰するまで温まったなら水を入れて温度を下げましょう。
旨さの秘訣はシックスナイン、覚えて下さい。

これ以上温度が高いと、肉に熱が入りすぎて固くなりますし、
逆に低いといつまでも加熱されずに半生状態の血生臭い肉塊になります。

浸ける時間は肉のサイズによって変わるのは当然の事実ですが、
一般的にジャパンで売られているローストビーフ用の肉のサイズ(300〜500g)なら
1時間ぐらいお湯にブチ込んでおけば次の写真のようなローストビーフが出来上がります。

「あっ(察し)」な方も居られるでしょうが、要するに低温調理の手法なんですね。
肉のタンパク質は60〜70℃以上の加熱で変化&硬化するため、
その少し手前の温度で加熱する事で肉に無駄に熱を与えないよーにするわけです。

ぶっちゃけ、低温調理器買って作ればそれが最強なんですが
年に何回食うか解らんローストビーフのために専用機材仕入れるかい?
低温調理器は他にも色々作れて料理のバリエーションが云々とか言われても、
それを日常で活用、多用出来る人間ってほんの一握りですよ。
んじゃあいつも使ってる鍋で作れる方が無駄が無いし、何よりも楽です。

炊飯器の炊飯機能で温めてローストビーフ作る方法もあるみたいですが、
そーいうテクニカルな手法はクックパッドに掲載しているのを参考にしてくだされ。

余談ですがクックパッドの「ご家庭でも作れるケン★ッキー」みたいなレシピで
ケ★タッキーが出来た試しが無いのは我輩がまだ未熟なのでしょうか?
それとも、我輩の作り方or舌がおかしいのでしょうか?

ローストビーフはお湯に浸けて作ろう

1時間ぐらい経過するとお湯の温度は50℃ぐらいまで低下しますが、
お湯の温度が60℃代の時点で肉に熱が入ってタンパク質を変化させているので無問題。

ただ、今の季節のように気温が低いとお湯の温度低下が早いので、
30分経ったらまたお湯の温度を測り、低いようならまた加熱する必要性がある事も考慮して下さい。

鍋からパックを出したら軽く粗熱を取り、冷蔵庫で1〜2時間ぐらい冷やして肉汁の流出を抑えます。
また、冷やす事によって肉が固まってスライスし易くなります。
何ならこのまま1日冷蔵庫に入れて、次の日に食べても構いません。

ローストビーフはお湯に浸けて作ろう

さて、今回の出来栄えは・・・(・∀・)イイ!!
ウン、凄く良いよ。
まだ手前の部分しか切ってないのに、このフレッシュ感。
中心部はもっとレアな感じですが、生焼けではなくしっかり加熱されています。
そして切る度に軽く滴る肉汁、柔らかい感触。
肉は確かカナダ産だったけど、つまみ食いしたら多少スジがあるけど肉はいい食感!

尚、この時に熱が入りすぎて全体的に灰色になった場合はと言いたいところですが、
それはお湯の温度が高スギィ!なので†悔い改めて†。
逆に真ん中辺りが生っぽい感じだったら電子レンジ500Wで30秒ぐらい追い加熱しましょう。
そして今後ローストビーフ作る際は更に時間&温度管理に気をつけましょう。

ローストビーフはお湯に浸けて作ろう

いつもは適当に皿にぶち撒けて「ほら食えよ!」的な感じなんですが、
クリスマスなので刺身みたいにキレイに並べて盛り付けました。

我輩の好みは山ワサビのすり下ろしたやつに醤油をかけたものを乗せて食べる方法ですが、
市販のチューブワサビも原材料の大半は山ワサビなのでワサビ醤油でも問題なし。
真ん中に盛り付けた適当に切ったアボカドもワサビ醤油で一緒に食います。

勿論、黒瀬のスパイスや喜びスパイスで食べるというのもなかなかイケます。
マスタードで食べるのも悪くありませんが、日本人のDNAにはハマらないかな?

本格感を出すならジップロックに残った肉汁を肉塊を焼いたフライパンに入れ、
醤油2、赤ワイン1(或いはバルサミコ酢)を加えて一煮立ちさせたモノに
粗挽きコショウを振ってソースを作るのも良いでしょう。

ローストビーフはお湯に浸けて作ろう

余談ですがいつもはこのようにして上に積み重ねて山のようにして盛り付けています。
肉が塊感が乏しく、キレイに薄切りに出来なかった時はこの方法がゴマカシが効いてイイですね。
そして周囲には彩だけの為に野菜を添える。
我輩は生野菜食うんですが、嫁やクソガキは食べないんすよねー。

ローストビーフはお湯に浸けて作ろう

今年のクリスマスディナーはローストビーフと海鮮ピラフのみ。
毎回定番のボルシチはおろかスープ類を作って無いという状況から、
我輩がどれだけクリスマスに冷めているかが解りますかね?

この砂井さんが伝授してくれたローストビーフの作り方を知ってからは
ローストビーフの敷居がベルリンの壁(あ、平成生まれには解らんかw)から
近所の家の垣根ぐらいに下がりまくってしまいました。

でもローストビーフ用の塊肉は普通に買うと普通に高いんで、
我が家では消費期限近くて安売りしている肉がある時しか作れませんが、
それでも我が家のローストビーフ頻度はイギリス人程では無いにしても大分増えました。

正月料理にローストビーフ作ろうかとお考えの家庭も多い事でしょう?
でも毎年、中まで灰色に変色した硬い肉で新年を迎える家庭も少なくはないでしょう?
そんな貴方、是非ともこのローストビーフのレシピを試してみてください。

余談ですがおせち料理のローストビーフには「薄っぺらに見えるが実は味のある人になれるように」
という意味が込められているそうです。

ローストビーフはお湯に浸けて作ろう

ローストビーフはお湯に浸けて作ろう

おまけ
娘が作った中に外側クリームたっぷり、中はフルーツがたっぷり入ったケーキ。
ケーキ中心部にはイチゴ、缶詰のモモ、バナナ、キウイの薄切りが大目にブチ込まれていて、
周囲は「甘さ控えめ?何それ美味しいの?」と言わんばかりの甘ーーーいクリーム。

尚、2種類作ったのは白(ロウ)と黒(カオス)を表しているとの事(哲学)。

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Posted by 砥部良軍曹 at 16:21│Comments(2)めし
この記事へのコメント
年明けに振休取って真似しなければ!!
店で食べたら2000円位するような肉特盛ローストビーフ丼とかステキだと思います!!
Posted by 長介 at 2022年12月26日 08:23
>長介
それって我輩にローストビーフ用宮崎牛送れって事?それは無理。

近々鹿肉のヤツをブログにアップします。
Posted by 砥部良軍曹砥部良軍曹 at 2022年12月27日 14:35
 
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ローストビーフはお湯に浸けて作ろう
    コメント(2)