2012年12月08日

小松の夜をBARで過ごす

日本自動車博物館で予想以上に時間を潰してしまった我輩&先輩。
でも仕方ないね。漢(おとこ)って本来そ〜いう生き物でしょ?
吉六会会議した時も大抵半分ぐらいはクルマの話で盛り上がっていましたからね。

さて、クルマの次に漢(おとこ)の世界に外せないものといえば“酒”。
我輩は基本的に下戸で缶ビール1本飲むとべろんべろんになる体質なんですが、
シングルモルトとかカクテルとかリキュールが好きでねぇ、
たまにはショットバーでバックボトルを眺めながら気分に浸りたいという願望が常にあります。

そこで夕方同期と居酒屋で適度に飲んで解散した後、
予てよりチェックしていたショットバーに向かうことにしました。

でもその前に久しぶりに夜の小松の飲み屋街をぶらぶらしてみたら、
「お兄さん、お触りどうですか?」ってな感じでポン引きが接近してきやがりましたので、
「いくら?」と聞いたら30分5000円とか抜かしやがるんです。
しかも触れるのは上半身のみ。そんなグレコローマン要らねぇ。

小松の夜をBARで過ごす

と言う訳でそんなボッタくりはシカトしてリアルな大人の世界へ向かいます。
店の名前は“Bar Esmeralda(エスメラルダ)”
しっかしショットバーってどーして解り辛い場所ばっかにあるんでしょうかね?
ま、解り易い場所にあると酒の何たるかも知らんよーなど素人がホイホイ入店して、
気分ぶち壊しにしてくれやがるから敢えてそ〜いう場所にあるんでしょう?

しかし久しぶりにこういう場所に来ると何を飲めばいいのか悩みどころです。
こういう場所で「とりあえずビール」はご法度とまでは言いませんが、
これだけ色々な面白そうな酒があるというのにそれは礼儀知らずです。

小松の夜をBARで過ごす

とりあえずマスターが聞いてくるまでおとなしくボトルを眺めていると、
「普段はどのようなお酒をお飲みでしょうか?」と聞いてきます。
いいですね、こういう酒を知っている人間にしか理解出来ない駆け引き。

「一時期アイラモルトにハマっていたんですが」と我輩が口を開くと、
「それならこのようなものはいかがでしょうか?」と勧めてきたのが
“BIG PEAT”というやっぱり正露丸みたいな香りがするアイラモルト。
いやね、ラガヴーリンとかアードベッグとかの
アイラモルトと言われるシロモノはすげぇとべら臭がするんです。

でもこの独特の香りがたまらないんですよねぇ。
久しぶりなのでロックでちびちびと氷を指で回しながら啜る事にします。
つまみに出てきたのは味わい豊かな生ハムとパイン、ぶどう。

30分ぐらいかけてヨードチンキみたいな味のウィスキーを啜って一息つくと、
我輩のグラスの中身をさりげなく確認したマスターが
「お強いですね、次は何にしますか?」とおっしゃります。
いや全然強くないですから。
雰囲気に酔いしれてついつい酒が進んだだけです。

やはりショットバーに来たからにはバックボトルのご自慢の酒を使った
カクテルを飲んでマスターの腕前を確認したいところですが、
我輩は独身時代50種類ぐらい酒を買い込んで自分でカクテル作って飲みまくっていたんで、
普通にバーで飲めるカクテルは全て味知っているから今更新鮮味がないんです。
嫁もカクテルや酒で落としたよーなもんですからねw

小松の夜をBARで過ごす

そーいう話をマスターにしたところ、マスターは快くサクっと回答を導き出します。
「よろしければコンクールで賞を取った作品を飲んでみますか?」
もうね、「嬉しい事言ってくれるじゃないの」って感じですよ。
勿論注文させていただきます。

すると「少し甘めなんですがよろしいでしょうか?」と問いかけてきます。
うーん、やっぱりカクテル頼む人って大抵「さっぱり系で」って言うんでしょうねぇ。
リキュールを使ったカクテルは独特のこってりした甘味が美味しいってぇのを
酒のシロートは理解出来ていないんだなぁって軽く実感。

そこでワクワクテカテカしながら待っているとテーブルには
比較的クセがないのでカクテルのベースにはうってつけと定評のあるタンカレージン、
最近流行りの抹茶リキュール、そしてモナンパッションフルーツシロップ???とレモン。
抹茶とパッションフルーツ?どーいう組み合わせやねん???

小松の夜をBARで過ごす

そして我輩の目の前に現れたのは初夏の奥入瀬を彷彿させる
鮮やかで清々しい緑色のエリクサー(霊薬)。

飲んでみると抹茶リキュールのほろ苦さがパッションフルーツシロップと
不思議な融合を醸し出して独特の清涼感を生み出しています。
少し甘めですがレモンとタンカレーが甘味を上手く纏め、くどさは微塵もありません。

これはやられましたね。予想出来ない展開でした。
改めてカクテルの世界の奥深さを再認識した次第であります。
このカクテルの名前は“バンブー・ドロップ(竹の雫)”と言うそうです。
確かに抹茶風味の中に漂う清涼感ある味わいは
“初夏の青竹”を彷彿させてくれます。

小松の夜をBARで過ごす

これだけ素晴らしいカクテルを頂いた後は次に何を飲むか凄く難しいです。
いつもなら〆にモーツァルト・チョコレートリキュールのロックを頂くところですが、
たまには違う酒を飲みたいという気持ち、
そしてふと目をやった先に気になるボトルが・・・

そこでマスターに「あのボトルを見つけると気になって仕方がないのですが、
アルコール度数は高いし、薬草系リキュールなので飲めるかどーか不安なんです」
と問いかけると、
マスターは「それならハーフショットで頂いてみてはどうでしょうか?」と提案。
こういう融通が利くのが酒を知っているマスターならではの心配りですね。

そこで我輩が選んだ酒が“ラッテ・ディ・ソッチラ”というハーブ系リキュール。
“レモンハート”という酒の漫画で紹介された幻のリキュール。
(現在ではネット通販使えば3000円程度で買えない事もありません)
直訳すると“継母のオッパイ”という名称らしいのですが、
遠まわしな言い方では“継母に飲ませたいミルク”という意味らしいです。意味深ですね。

一口啜ると口の中には何とも言えないさらっとした甘味が広がり、
その後75%のアルコールが体内を駆け巡り、最後にハーブの苦味が残る。
アルコール的にも味的にもかなりきっついんですがクセになりそうな味わいです。

小松の夜をBARで過ごす

雰囲気良い店、素晴らしい酒、そしてその酒を巧みに扱う腕利きのマスター。
久しぶりに夜の至高の味わいを堪能した我輩は
久しぶりに人生が素晴らしいものである事を実感した次第です。
やっぱり酒は酔う為のものではなく、
自分が酔いしれる為のアイテムなんですな。


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Posted by 砥部良軍曹 at 20:03│Comments(4)お店
この記事へのコメント
自分、ラウンジ等のチャンネーの店で金使うなら
barでシングルバレルのスコッチ飲みながら葉巻ふかしてる方が好きです。
素敵な店ですね
マスターもかなりの方みたいですね。

先月、ワインバーに連れていってもらったのですが
落ち着いた雰囲気で直ぐに虜になりました。
閣下と酒が飲みたいですね
Posted by 熊頃氏 at 2012年12月08日 22:18
>同志熊頃氏
正直チャンネーの店で飲むよりもこー言うところで飲む方が
心の安らぎがありますし、何よりも酒がうまい!
酒を知っているマスターとの会話が弾むと酒の旨さもまたひとしお。
大人になってよかったと思う至福の時間がそこにあります。

余談ですが我輩はワインは苦手な体質です。
Posted by 伍長閣下伍長閣下 at 2012年12月09日 10:07
良いbarを見つけましたね! 自分も早いところ浜松でいきつけを見つけなければ…
それにしても最後の言葉は全く同感です。酒なんていうのは至上のカッコツケアイテムなんですから、カッコつけて飲まねばスマートではありませんよね
Posted by つちのこ at 2012年12月10日 20:37
>つちのこ
その通りだよ。酒は漢(おとこ)を男らしく魅せるアイテムなんだから、
自分のスタイルを確立できなければ真の酒飲みにはなれないんだよ。
それが出来ているおぬしは漢(おとこ)として合格。

浜松といえば東横インの向かいのビルの2階にあった
“THINK”というBARが静かで酒の種類もあるし、オススメ。
Posted by 伍長閣下 at 2012年12月10日 21:38
 
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